世の中には何ごとも天才がいます。まわりにもいらっしゃるのではないでしょうか。
たとえば有楽町の駅前に「北海道どさんこプラザ」という物産ショップがあります。うちの実家はそこにウニ塩とウニ醤油を卸しているのですが、卸してランキング1位を取りました。何千ものプロダクトがあるなかで、いきなり1位です。
どうやって1位になったのか、娘の特権で聞いてみると母は「わからない」といいます。夫に聞くと「舌でしょ」といいます。ようするに天賦の才であって、私のような平凡な人間にはとてもじゃないけれど再現できません。
でも「小さく分ける」という考え方でどうにか進められます。味付き塩や味付き醤油には小さな市場が最初から存在し、それが店頭に並んでお客様が面白そうと思って手に取り、でも棚に戻す際、値段にビックリして思わず買ってしまう、そのくり返しが起きた結果、はからずもランキングを制覇してしまう、ということは考えられそうです。
圧倒的なセンスの前に恐れおののくしかできない、でも生きていかなくてはならない、そんなとき、目の前のざっくりした事象を小さく分割する、そしてハードルを下げてひとつずつ乗り越えていく。このプロセスが大事なのではないかと最近とくに思います。