周りを見ていると、結局モテる人が仕事も上手くいきます。身も蓋もない真実です。では個人におけるモテるとは何でしょうか。そして企業の持続的な発展、つまり長期にわたってご愛顧いただくためには何が必要でしょうか。

・小さな評判を起こそう

フランスの恋愛作家スタンダールは、その著書『恋愛論』でモテ=小さな評判を起こすこと、と書いています。スタンダールは生涯にわたって恋愛を研究しました。彼の活躍した19世紀前半は、ちょうど王政復古した時代ですね。

小さな評判がなぜ必要なのか。それは「人は結局、好かれてる人を好きになる」という本当に身も蓋もない人間の習性によるものです。まわりを見渡しても個人的な体験でも、誰かに嫌われている人を嫌うのは簡単です。でも反対に誰かに好かれている人を嫌いになるのは難しい。

だから目の前の人に好かれよう、小さな評判を起こそう、とスタンダールはいいます。たとえそれがいまいちイケてない相手だったとしても(そしてイケてないプロジェクトだったとしても)。全力で貢献して、相手の役に立ち、そして好きになってもらう。そうすれば小さな旋風が起こりいます。それがモテの始まりだとスタンダールはいうのです。

・目の前の人と上手くやるには

そして人と上手くやるには、ほどほどに喜怒哀楽を出す必要があります。ちょっとだけ自己開示。自分を出さないのは傷つくのが怖いからです。自分を出して嫌われるのを極端に恐れるからこそ、話題が他人のゴシップやソーシャルゴシップに終始し、人間関係も受け身になります。そして常に被害者の目線で語ることとなり、主体性を失って人から嫌われる、という負のスパイラルとなります(書いてて自分で耳が痛いです)

でも、目の前の人に貢献し、小さな評判を起こしていけば、自然と人が集まり、お客様も集まり、質の高い仕事や素晴らしい仲間に出会える確率も上がるかなと思います。

スタンダールは生涯をかけてモテを研究し、本人はあまりモテなかったといいます。好かれないのは自己開示が足りず、なおかつ相手を選ぶから。素敵な相手にだけいい顔したら、素敵な相手はこちらを見くびります。

意外と個人のモテは企業の集客と似ているのです。